HOMOHALAL-ホモハラル-

エイチエムピー・シアターカンパニー〈同時代の海外戯曲Ⅳ〉『HOMOHALAL-ホモハラル-』
作:イブラヒム・アミール
翻訳:長田紫乃
演出:笠井友仁・髙安美帆

海外の現代演劇を紹介する「同時代の海外戯曲シリーズ」第4弾は、シリア出身の作家として、ウィーンをはじめドイツ語圏で話題作を発表し続けている劇作家 イブラヒム・アミール(Ibrahim Amir)の『Homohalal (ホモハラル)』(2017)をとりあげます。 本作の初稿は 2012年に、2年にわたる難民と難民支援者との演劇ワークショップの一環として書かれ、その後、新たに構想されて 2017年にドレスデン州立劇場で初上演されました。上演は大きな話題を呼び、本作はドイツ語圏の各地で上演されました。 本作品のタイトルは、「ホモ」と「ハラル」(イスラムの教えで「許されている」を意味するアラビア語)を掛け合わせた造語です。「ホモ」には、「ホモセクシャル」(ひいては何らかのマイノリティ性を持つこと)と「同質性」(社会のマジョリティに同化吸収しようとする圧力)という二つの意味が含まれています。ヨーロッパの難民問題を契機に書かれた作品ですが、アミール氏の描く多文化家族や文化的衝突は、私たちにとっても身近な光景といえるのではないでしょうか。日常にある文化的衝突を、笑い飛ばしてしまう、コメディ要素を持つ本作をぜひ、みなさんと一緒に楽しみたいと思います。